「Aliexpressで中国輸入するための関税」を簡潔に解説 [個人輸入]

(Last Updated On: 2022年2月9日)
この記事を読むのにかかる時間: 1818

このページは関税に関するページです。

消費税についてはこちらをご参照ください。

↓ ↓ ↓

Aliexpressでの中国輸入と消費税 関税と違うの?

 

個人輸入で関税がかかるのはどうゆう場合?

アリエクスプレスはたいへん便利な通販サイトですが、

国を超えて取引をするわけですから

関税のことは無視するわけにはいきません。

 

場合によって関税がかかります。

どうゆう場合に関税がかかるんでしょうか。

 

関税がかかる場合には明確な基準があります。

※10万円以内で仕入れるという前提でお話をします。

よって、このページで言う「税率」は簡易税率のことです。

 

基準は主に以下です。

 ・商品の量が多い。 

 

 ・梱包したときの1梱包内の商品の合計が16666円を超える。 

 

このどちらか、または両方の条件を満たす場合、

関税がかかります。

 

量が多い場合に関税がかかる確率は

だいたい10~20%ぐらいだそうです。

このあたりは税関の係員の方のさじかげんですね。

量の多さで関税がかかるのは商業目的だとみなされるからです。

 

商業目的でなくても、商品代金合計が16666円を超えれば関税はかかります。

 

 ただし、16666円以下であっても、以下の製品はかかるので注意が必要です。 

スポーツ用品

革のバッグ

パンスト

タイツ

手ぶくろ

履物

スキー靴

衣類

乳幼児衣類とそれに関連するもの

ニット製衣類(編み物)

※関税は品目ごとにことなります。

品目ごとにHSコードで厳密に区別されます。

 

また、発送業者によって、審査の厳しさは変わります。

FedEXやDHLは審査厳しく、EMSは比較的ゆるいようです。

ただし、EMSの場合は発送から到着にかかる時間が短くて補償もあるかわりに

送料が高いのでその点は注意しましょう。

 

そもそもアリエクスプレスで仕入れをするのに

万単位の高価な商品は買わないほうがいいです。

到着した商品が壊れていたりしたときに

オープンディスプート

Open dispute(紛争提起/オープン紛争)

によって業者と高い損失がどちらのものになるかを争わないといけなくなるからたいへんですし、

その上関税までかかったのでは泣くに泣けません。

※念のために商品が故障していたときに行うOpen disputeに関するリンクを貼っておきます。

↓ ↓ ↓

商品が破損・故障していたら

※念を押すようですが、紛争すれば満額保証されるとは限らないので、

 「故障していても紛争で返金してもえらえるからいいや」という気持ちで高額商品を買うのは危険です。

 

関税は郵便局の場合は着払いで現金払いします。

FedEXの場合は後から書類で支払い通知書が届きます。

 

ところで、計算方法はどういったものでしょうか?

関税定率法14条-18項には

「課税価格の合計が一万円以下の者は免税とする」

とあります。

 

 課税価格というのは商品合計価格のことではありません。 

課税価格の計算方法、関税額の計算方法は以下の式です。

個人使用目的の場合

商品価格×0.6=課税価格(課税対象になる金額)

課税価格×関税率=関税額

 

つまり、

商品価格が16666円の場合、

16666×0.6=9999.6円

となり1万円を切ります。

 

↑1万円を切っているので、

そもそも関税がかからないということがおわかりいただけると思います。

 

商業目的での輸入の場合、計算式が異なります。

 

商業目的の場合

(中国での販売価格+送料+保険金+その他の経費)×関税率=関税額

商業目的の場合は、この()内の合計が1万円以下の場合は無税です。

()内全体に課税されることをおわかりいただけると思います。

 

つまり、全体が課税価格になるんですね。

 

税率は税関のホームページを参考にしてください。

※ただし、税関のホームページの一覧表の税率もあくまで目安です。

原産国、品目の材質、加工の有無及び用途などによって大きく変わります。

1204 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

 

ここでは関税について書きましたが、これとは別途消費税がかかります。

消費税についても知りたい方はこちら。

Aliexpressでの中国輸入と消費税 関税と違うの?

 

 

 

 

 

 

 

関税がかからない場合は?関税以外にもかかるお金はある?

関税がかからない場合は、

ここまで書いてきた

「関税がかかる条件」

に当てはまらない場合です。

 

つまり、

 ・商品の量が少なくて、 

 

 梱包したときの1梱包内の商品の合計が16666円を超えない。 

 

という場合は関税がかかりません。

※商品の量が多いかどうかは税関のさじ加減です。

 

これは輸入目的が個人使用でも商業でも同じです

(この根拠は、関税定率法14条18項と関税定率法施行令16条-3です。)

また、以下の製品も簡易税率では無税とされています。

ゴム

陶磁器製品
鉄鋼製品
すず製品

これ以外の関税がかからない製品は、

税関のホームページを参考にしてください。

1204 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

※ただし、税関の一覧表の税率はあくまで目安です。

原産国、品目の材質、加工の有無及び用途などによって大きく変わります。

 

また、関税がゼロ円でも以下の料金がかかる可能性はあります。

輸入消費税

輸入地方消費税

輸入通関料金

検査立会い料

取り扱い手数料とその消費税

 

 関税とそれ以外のお金がかかった人の話。

 

聞いた話ですが、

200ドルほどの買い物で上記全てがかかった方がいらっしゃるようです。

商品代以外にかかった金額は、合計6000円ほどだったとか。

 

200ドルの課税価格は、

$200×0.6=$120

となります。

 

1ドル90円としても10800円ということになるので、

課税価格が1万円を超えてしまってますよね。

恐らく、その方の場合は関税もかかっていると思います。

 

このように課税価格が1万円を超えてしまった場合はもちろん関税がかかってしまいますが、

超えていなくても検査が必要になりそうな商品(見た目が禁制品に見えるものなど)は

気をつけたほうがいいかもしれません。

※↑関税がかからなくても、関税を通してもらえなくなったり、

通してもらえたとしても検査のために膨大な待ち時間が発生したりします。

 

著者は、アリエクスプレスに出会う以前、

輸入代行業者にまとまった仕入れをお願いしたことがありますが、

その時以来1万円以上のまとまった仕入れというのはしていません。

 

なので、関税がかかったのもそのときだけです。

また、今述べたような関税以外の料金(通関手数料・消費税など)も

1万円以下で仕入れるようになってから、かかったことがありません。

※著者の場合は、課税価格どころか一梱包の商品価格そのものがいつも1万円以下です。

 

 

 

 

 

 

 

 

関税をかけずにたくさん買う方法

著者は毎週のように仕入れをしますが、

アリエクスプレスから買った商品に関税がかかったことはありません。

気を使っていることは以下です。

・一度に一つのショップから商品を買うのは16666円以下におさえる。

・検査が必要になるようなまぎらわしいデザインの商品は買わない

(見た目が武器のインテリアや本物にしかみえないトラの置物や

権利の取得されているブランド品に酷似した商品など)。

 

しかし、厳密に言うと小まめに買っていても

同時期に仕入れた商品の金額の合計が

課税額が16666円を超える場合はかかります。

 

例えば

15000円の商品を買う

2日後に15000円の商品を買う。

みたいなパターンです。

 

15000×2×0.6=18000円

 

課税額は商品価格の6割で計算するわけですが、

上記の場合課税額が16666円を超えてしまってますよね。

 

こうゆう場合は、

関税がかかっても文句は言えないので

かかってしまってもあきらめましょう。

 

残念ながら「どのぐらい期間をあければ同時期とみなされないか」

というのは税関の方のさじ加減です(苦笑)。

明確な基準はないので買い手が判断することはできません。

 

著者の場合は、週一回の仕入れで

 

 ・16666円以下の安い商品を 

 

 こまごまあっちこっちのショップから仕入れる。 

 

という感じですが、

合計16666円を多少超えたからと言って

関税がかかったことはありません。

 

でも、これはたぶん関税のお目こぼしのようなものなので

期待しないようにしましょう(笑)。

※この方法で関税がかからない原因としては、

「同時に買った商品でもショップによって発送するタイミングが異なるから」

「金額が小さい商品をいちいち審査していないから」

「個人使用に見えるから」

などの理由が考えられそうです。

 

また、複数のショップから

商品を買う場合に気をつけたほうがいいのは、

同じジャンルの商品を買う場合です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別々のショップから買った場合でも

「あ、それショップ名は違うけど、両方ウチの店だよ。

同梱(どうこん)して発送するねー?」

というケースがたまにあります。

この場合、それらの合計金額が16666万円を超えれば関税がかかるので気をつけましょう

(やってみたことはないですが、

別々に間を開けて発送してもらうという裏技はあるのでしょうか…( ̄▽ ̄)

 

ショップが別発送を受けてくれるかどうか心配な場合は、

 買い手側が注意して購入時期をずらすしかないでしょう。 

 

例えば、

同一のショップの1万円の商品と2万円の商品がほしい

同時に買うと3万円=課税額18000円(30000×0.6)

これだと、一万円を超えてしまう…。

2週間ぐらい間を空けて別々に買おう

 

というような方法です。

※2週間というのは「なんとなくこれぐらい開けておけば大丈夫そうな期間の例」として書いてます。

 

あと、税関を逃れるために

 ・意図的にインボイスにウソを書いてもらう 

 

 ということだけはやめましょう。 

 

わざとこうゆうことをすると犯罪に問われます。

わざと荷物の書類に無税の品目を書いてもらったり、

価格を実際よりも安く書いてもらうことが犯罪にあたります。

どちらも処罰の対象になるので気をつけましょう。

 

「関税法違反」

「公文書偽造、同行使」

になる可能性があります。

 

読者の方が法律とうまく付き合いながら、快適な仕入れライフが送れることをお祈りしています。

※法律的に仕入れていい物と悪い物の目安はこちらをご参照ください。

輸入販売や転売に関わる法律

 

 

 

 

 

 

通関に関わるよくある誤解 2022年2月追記

「通関を含めても最大60日ぐらいで届くんでしょ?」→そうとは限りません

まず、Buyer proteciton(購入者保護)の期間は、商品によって違います。

30日ぐらいの商品だってあります。

また、通関にかかる時間は情勢やその他配送を取り巻く環境によって、大きく変わります。

通常、通関にかかる時間は1日から1週間ぐらいです。

 

Buyer protectionの日数は「この日数以内に絶対に届けます」と約束するものではありません。

ただ、ぼーっと待っているだけではBuyer protectionは切れてしまう可能性があります。

日数が短いなら、こちらから延長申請をしましょう。

30日経っても商品が届かないときは ~返金を頼むのはまだ早い~ 【Aliexpressトラブル】

 

「税関で止められてもお金は返ってくるでしょ?」→場合によります

輸入に関する法律を調べずに、日本国内のECサイトを利用する感覚でほしいものをジャンジャン注文する方は多いですが、輸入してはいけないものを輸入するのは当然法律違反になります。注文する物によって税関で破棄される場合もあります。

 

それどころか、それに関する書類が届いたり、破棄や調査に関する費用を税関から請求されたり、

罰金や懲役刑を科せられることもあります。

輸入してはいけない商品の輸入は密輸入にあたるからです。

 

日本まで届いてから、日本の税関からそういった対応を受けた場合、注文した人自身が責任を問われている状況なのでアリエクスプレスやセラーにそれを補償してもらうことはできません。

忘れがちですが、アリエクスプレスのルールよりも法律のほうが重いです。

輸入に関する法律は押さえてから買い物をしましょう。

輸入販売や転売に関わる法律 | アリエクスプレスで中国輸入

 

「セラーに返送された場合は、黙ってキャンセルしていいんでしょ?」→なんでやねん

著者の経験上、たいていは返送されても待っていればセラーが再発送してくれています。

 

返送される理由は様々です。

「セラー側で手続きに不備があった」とか「ロックダウンなど、情勢の悪化で配送経由地が”死に地”になっていた」などです。

もちろん前述したように、買い手が法律上違法なものを注文していれば話は別ですが、それ以外のほとんどの場合では再発送してくれるでしょう。

 

残念なことに、再発送中に黙ってキャンセルする方がいらっしゃいます。

キャンセルする前に想像してみてください。

善意で再発送料金まで払ったセラーからしたら、黙ってキャンセルしたら

「はぁ~~~?」

って感じじゃないですか?

 

まずは、セラーにお金が振り込まれないようにBuyer protectionを延長するべきですし、その上で返送された理由がどうしても気になるならセラーにメッセージで尋ねてみたらいいと思います。

 

メッセージで聞かれなくても、本当に送れなくなってしまったならセラーのほうから「すみませんが、商品は送れなくなりました」と連絡が来ます。

 

 

「関税を払ったら消費税はかからないよね?」→消費税とは別物です。かかるときはかかります。

消費税も場合によってかかります。こちらで詳しく書いています。

Aliexpressでの中国輸入と消費税。関税と違うの?

 

 

「通関に時間かかるんだったら、まとめ買いしたほうが得っしょ!」→いやいや…

ここまで読まれた方ならお分かりになると思いますが、16,666円以上買うと関税がかかります。

また、まとめ買いすればするほど、係員の方からすれば「あれ、業者か…?」となるので、丁寧に調べたくなります。

 

同じ商品をダンボール一箱分ガッツリ大量に買うようなことをすれば、底のほうにある商品から丁寧に調べられるということもあるかもしれませんね。結果的に通関にも時間がかかってしまう可能性があります。

 

特に深い理由がなければ、同じ商品を複数買いたい場合でも金額を抑えて毎週チマチマ注文するほうが得なことが多いと思います。

 

 

「自転車関連の商品は無税だよね?」→そのはずなんですが…

法律上、中国からの自転車関連の商品は無税のはずです。

ですが、ツイッターや各アリエクスプレスユーザーの方の発信を見ると、どうも関税がかかっている方がチラホラ散見されます。

 

自転車なのに関税がかかっている方のはっきりした原因はよくわかりません。

心配な方は、他の商品を買う場合と同じく一度に買う金額を抑えたほうがいいでしょう。

自転車に関する関税に関しては、こちらで書いています。

↓ ↓ ↓

ロシア発のフル電動マウンテンバイクがかっこいい。仕様・速度・価格[電動MTB 電動自転車 通販]【アリエクスプレス動画】2021年更新 

 

「通関中のまま追跡情報が更新されないんですが…」→そんなに心配する必要はないです

本当に通関中か、もしくは追跡情報の更新が遅いだけです。

Buyer protectionの残り日数がなくならないように、延長申請をしながら待ちましょう。

 

 

その他の悩みがある方はこちら

Aliexpressでの中国輸入と消費税 関税と違うの?

中国(外国)から偽ブランドを輸入したら犯罪になる?本物との違いは?

通関手続き・関税 Q&A

 

参考URL

輸入時の一万円以下免税ルールが適用されない貨物のまとめ | HUNADE – EPA/FTA・海外進出・貿易ガイダンス

1001 総額20万円以下の貨物の簡易税率(一般輸入貨物、国際郵便物)(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

個人輸入・海外商品の処方・課税について | 化粧品・コスメ通販のアイビューティーストアー

少額輸入貨物の簡易税率 : 税関 Japan Customs

 

 

 

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