日本でQRコードのシェア争奪戦が勃発
日本でもQRコード決済が普及しそうです。
というより、主導権争いがだいぶ激しくなりそうです。
2018年7月27日に、ヤフーの川邊健太郎社長はの決済会見において
「日本のモバイル決済で、ナンバーワンになる」(たぶんワンピースのルフィ風で)
とモバイル決済のシェア獲得に向けた意気込みを語りました。
現在のヤフーのQRコード決済システムの流れはこんな感じです。
元々「ヤフー!ウォレット」のQRコード決済の開発をしていた。
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しかし、社長、早い段階で日本のQRコード決済のシェアを獲得すべく、
先進的な技術を使おうと思う。
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ソフトバンクとヤフーが半分ずつ出資してペイペイを設立。
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インドのペイティーエムの技術を根幹に据える。
QRコードはユーザーにとっても便利ですが、
側にとってもメリットが大きいです。
レジにアリペイのQRコードを貼っておく
↓
それを顧客が読み取る
↓
決済完了
という決済方法が可能になるからです。
中国では、アリババが提供してるサービス、
アリペイとウィーチャットが二大電子決済サービスですが、
インドではペイティーエムも負けてはおらず800万店あり、
すでに決済方法として普及しています。
ペイティーエムはヤフーの出資先でもあります。
ヤフーがとった戦略は店側の手数料ゼロ
ヤフーはまずは自社のQRコード決済を日本で普及させるべく、
店舗側の手数料を最初の3年間無料にする意向を表明しました。
日本をキャッシュレス社会にしたいLINEペイ取締役の長福久弘氏の意向で、
LINEペイがすでに手数料ゼロを導入しているため、
ヤフーがこれに対抗した形です。
LINE本社の出澤剛社長は、
手数料で利益を上げるビジネスモデルはなくなっていくと見ているようで、
広告・金融の分野を収入源にしていく決意を明らかにしています。
これからSNSやECサイトに関連した大手企業のQRコードのシェア争いが激化していくことになりそうです。
スマホ決済の主導権争い激化、店側の手数料は無料化の流れ(ダイヤモンド・オンライン) – Yahoo!ニュース
顧客にとってのメリットは出てくる?
現金決済のほうがメジャーな日本では、
カードやスマホ決済と言ったキャッシュレス決済は2割以下にとどまっています。
確かにおおい参入の余地があります。
そこで、ヤフーは
「店舗側の手数料3年間無料」
という戦略を打ち出したわけですが、
これはLINE Payの方針といっしょです。
「無料にすれば普及する」
というもくろみと思いますが
QRコード以外の決済方法はすでに日本でも乱立しています。
ユーザーからすれば同じような電子決済を何種類も使うメリットはなく、
最終的には1つか2つの決済方法に絞りたい
と思う人も多くなることでしょう。
ましてや
「店舗側無料」
いうのはユーザーにとってのメリットではありません。
最終的に各社はいつまでも店舗側無料
だけを売りにするわけにはいかなくなり、
ユーザー側にとっての特典を考えていくことになると思います
(3年というのはそれを見越した期限のように感じます)。
おそらくLINE PAYの
「広告・金融の分野を収入源にしていく」
というのはおそらくSNS・QR決済を広告塔にして、広告サービス・金融サービスへ集客していくということだと思います。
LINEの普及率自体はかなりのものなので、
広告サービスだけでもこれからかなりの収益が期待できるでしょう。
また、LINEの場合、課金ゲームも豊富です。
一方、ヤフーのほうはヤフオクという大きな収入源がありますし、
広告サービスも行っています。
ヤフーがLINE Payの動きにある程度合わせているところを見ると、
双方、「集客の入り口」としての陣取り合戦
をしているように見えます。
より多くのシェアをとれればとれるほど、
既存のサービスの収益が増えるわけですから、
ユーザーにとってメリットとになる
電子決済と既存のサービスの両方を利用した場合の特典
というのが増えていくはずだと思います。
それは、「ポイント」という形かもしれませんし、
「入会無料」のような形かもしれませんが、
双方かぶらないような内容で打ち出していくのではないでしょうか。
ヤフオクを輸入販売の販路の一つにしている著者としては、
ヤフオクでなんらかの特典が受けられるようになってほしいのですが(笑)。
店舗側の無料の3年が終わるまでの間にどんな特典が増えていくのか期待したいですね。
あ、そうそう。
この状況を見て中国のアリペイやWechat Payも黙ってみているわけではないはずです。
アリエクスプレスでの特典が増えるように個人的にそちらにも期待します(笑)。
参考文献
QRコード決済統一へ 初会合 乱立する規格(フジテレビ系(FNN)) – Yahoo!ニュース